ゴーストハントに関することでネタバレになりかねないことを呟く場所。
今のところ感想と考察、二次創作漫画の後書き等を公開してます。
ブログ内で迷子になりましたらカテゴリー欄の“はじめに(もくじ)”をクリックすると目次ページに戻ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
GHにはまって小野不由美本を読もうって意気込んで借りてきた2冊は、実はとてつもなく上級者向けだったのかもしれない、とページをめくりながら思いました。
(この頃、速読トレーニングを始めていたので読解力が多少、身についていたんですけど、やってなかったらさっぱりだったと思われます・・・)
(この頃、速読トレーニングを始めていたので読解力が多少、身についていたんですけど、やってなかったらさっぱりだったと思われます・・・)
冒頭の山火事・・・から、まず樅を何と読むか分からないところで躓きました(おおっと)。“もみ”です。卒塔婆の材料である樅の山林、それも村を囲む樅の山林火災が起きるまでが本編であるとすれば嫌な予感しかしません。このとき、タイトルでもある「屍鬼」と化した村民を荼毘に付したというのは想像はつきました。そして、消防士が遭遇した自動車は火葬をまぬがれた屍鬼かもしれないということも。
人の敵だと憶測する屍鬼を逃してしまった、という憤り(なんで逃がしたんだよ、人間の敗北じゃないか)にかられながら、村崩壊に至るまでの物語を読み始めることになりました。そもそも屍鬼って多分ゾンビみたいなものだろうし、そこまで予感していたんだから、この小説、間違っても誰かを好きになって希望的観測をしながら読んじゃ駄目だと思ってました。思っていたのに・・・
人が敗北した(?最初はそれぐらいにしか思えなかった)胸中を抱えて始まる物語とは一体何なのか、全く想像をしてなかったけど、全く想像できない物でした。
憤りはまず、作家である静信の原稿、美文に払拭されます(でも難解)。
村民一人一人の性格、とりまく家庭環境、人間関係、地域、習わし、仕事、特産物・・・把握しきれるとは思ってなかったけれど、不思議と読み進めていると結びついてくるから不思議。みんなとにかく、憲正が気になる。思いも様々。うわさ話に不快も愉快も交錯する。
とにかく登場人物が多いです。人物の多さ・人物の視点の移り変わる様は「シン・ゴジラ」を彷彿します。覚えきれない(けれど、下巻になるころには把握できてる)かつて、ゴーストハント海から来るもので、家系図の死人を把握できなかった(把握するの諦めた)のと似てる。登場しない誰それの名前を覚えるのは諦めるけど、登場するからにはできるだけ記憶にとどめましたよ!!ぶっちゃけ、理解する自信はなかったです。でも、不思議とね、誰が中心に物語が回るっていうのは分かってきます。少なくともね、村のカリスマは輝いてます・・・。
冒頭は村全滅じゃん・・・と警告灯は点滅していたけど、康夫と静信の連携を見るとどうにも解決できそうに見えてきます(ただし、見えてくるだけで何度も絶望に突き落とされます)。危険を察知した学生組もいるし・・・夏野だったらどうにかできる知恵を見つけそうだ、というか、この子供たちは見つけたけど・・・あんなに冒頭で誰も好きにならない方が良いって思っていたのに、警告灯の点滅は消えていたのでした・・・。朝にチラ見したらショックで嘔吐きましたからね!!それくらい、少年達に期待してました。
(どうでもいいけど、屍鬼を読んでいる合間にGH悪夢の~を読み進めたら、麻衣の明るさにめっちゃ気持ちが浮上しました。麻衣はホントに天使!! )
人は死んだら終わりだと上巻では思ってました。訃報の度に絶望が歩み寄ってくるような心持ちが続いてか下巻では一時、起き上がり(屍鬼)に希望を抱いたりもしました。屍鬼の性質を知ると夏野が屍鬼になるなら屍鬼もそれほど悪くないと思ってしまったのです(夏野がそう思わせるための布石だとしたら、死も含めた彼の存在と魅力は大きすぎる)。けれども、人と屍鬼は相容れない。屍鬼は人を捕食し、人間は屍鬼を排他する。秩序的な思考で屍鬼を殲滅へと導く康夫の行動力と知恵は魅力的、しかし、康夫側の人間、良識を失って蛮行に及んだ大川(親父)には筆舌しがたい嫌悪感がありました。もちろん、人を捕食した屍鬼も許せない。 死は人にも屍鬼にも恐ろしいもの。夏野と昭は起き上がらなくて良かったと思います。終盤の阿鼻叫喚の様は生きている人の方が辛い。
(村民は覚えきれないと思っていたのが、最終的に一人一人にスポットが当たって語り尽くせなくなります。個人的には徹と律子の最後が一番美しくて好きです)
途中、静信の理想主義にもどかしさを感じますが、とことんまで貫くと潔いですね。神から見放された罪人の孤独にふれて冒頭での「何故、屍鬼を逃した」という憤りは払拭されます。理想主義なら生きろ、と言いたくなるし、むしろ罪を背負って生きる方が沙子にとっての罰でもあるし残酷な仕打ちではないでしょうか。
PR
この記事にコメントする
カテゴリー
忍者カウンター